価格破壊がFP相談料金でも、かなり進んでいます。
ワタシは、FPとしては、もう31年。FPという資格や仕事が、世の中にまだ行き渡っていない頃、フリーランスFPとして受ける相談料、執筆料、雑誌のコメント料、監修料、セミナー講師料、テレビ出演料も、今よりずっと、高かったです。
31年のあいだに、世の中のFP資格取得者がずいぶんと増え、世の中にも認知されるようになり、そのこと自体は喜ばしいことですが、請け負う料金は、まわりを見渡せば、ずいぶんと安く設定しているFPが多くなりました。
中には、かつての水準で続けている著名FPももちろんおられるのですが、ワタシは根が小心で、たくさん料金をいただくのが心苦しいという中途半端な人間なものですから、このくらいは、相談者に許容していただけるだろうかという水準に徐々に下げてきました。
ですが、さすがに、これでは大変すきるということを、このごろ感じています。
いただく相談料金は、ワタシの場合は、わかりやすく、利用しやすく、時間制限なく1回あたりと、大判ぶるまいでやってきたのですが、その料金は、相談者さんには、安くはないと思います。ですが、ですが、相談の当日までの事前準備の作業量は、相談者が思っておられるよりもずっと多いのです。
お答えいただいた記入用紙を読んで、どんな方か、どんなお悩みがあるのかなど、想像、推測し、追加の質問をメールでさせていただいたり。
最近は、保険会社さん(?)がつくられたライフプラン表を見てもらいたいというご相談も多く、先にお送りいただくのですが、この表を読み込むのにも、けっこう時間がかかります。
相談者ご本人も、作成されたライフプラン表がご自分たちの数年後の数字であるという実感がうすく、記入されている個々の数字も、なぜこれが入っているのかなど、意味不明だということも多いです。
こうした状態ですから、第三者であるワタシなどが読み込み、ご相談者の家計をイメージするのには、なかなか時間を要するのです。
また、このご相談には、おそらくこうした案件も出てくるだろうという推測のもと、現在の社会保険や税制、再確認したり、住宅ローン利率や住宅販売価格の相場をみていったりといったことも事前準備に含まれてきます。
こうした事前準備にどれだけ時間を要するのかは、時々で違ってきますが、相談時間と事前準備に要した時間を合わせて、時給に換算するとだいぶ低くなります。
同業者も、時給に換算すると500円程度だと,嘆いていました。うんうん、わかります。
売るもの(たとえば保険、投信、住宅ローンなど)をもたないFPの場合、生活を相談料だけで成り立たせられるFPは、どれだけいるのかと、古参のFPとして、これからの独立系FPの将来を憂えています。
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