顧客本位でなく自分本位で保険を獲得すれば信頼を終身で失う

顧客本位が重視されていますが、保険営業の現場では、自分本位の勧誘はなくなってはいません。たとえば、月額5万円もの保険料負担の保険をこういう人に勧めるのは、営業担当者の自分本位ではないでしょうか。

顧客本位( フィデューシャリー・デューティー )で保険を勧めるのでなければ、うまく保険加入を獲得しても、遅かれ早かれ顧客の信頼を終身で失うことになります。

先日、この4月に息子さんが就職したというお母さんのご相談を受けました。息子さんが、月額5万円にもなる生命保険にどうやら加入したというのが分かり、こんなに払えるはずないでしょ、とあわてていました。

設計書を拝見すると、収入保障保険という掛け捨ての死亡保険と、もう1本が、ドル建て終身保険です、合わせると保険料負担は月額5万円を超えます。

その息子さんはまだ結婚しておらず、養うべき家族もいません。シングルの人には優先して獲得すべき保障は、医療保障でしょう。

設計書の表紙には、息子さんに夢を語らせた形跡があります。
夢を語っていただき、どういうことが今必要なのかに気づいていただくのは、ファイナンシャル・プランナーがよくとるアプローチのひとつです。

車が欲しい、海外旅行にも行きたい・・・・・。
若い人らしい夢です。

なのに、死亡保険。。なのに、さらに終身保険。。。今の息子さんには優先順位の高くない保険の組み合わせと思います。死亡保障ばかり厚くするためにお金を使わないで、まず貯めましょ!!

こんなことをお母さんと話しましたところ、お母さんは、即解約させますとのこと。後日返金されることになったというご報告を受けました。

まだ申し込みの段階だったかもしれません。医師の審査の前に保険料の預かり金という扱いだったのでしょうか。詳細わからないのですが、一つ言えるのは、その保険募集人は、息子さんからの信頼を終身で失ったと思われます。

医療保険を、身の丈にあった保障額でまずオススメしていれば、「次」もあったでしょうに。

保険に加入する前には勉強しましょう、とよく言われますが、自分で保険会社と保険を選べるようになるまで正しく勉強するには、時間とやる気が必要です。勉強しても、迷いの坩堝に入り込みがちです。

むしろこういう時は、どのような人に相談すればいいのかと考えて行動することが大切です。これからの長い人生のために、知っておいていただきたいです。

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