通常のNISAから「つみたてNISA」に切り換えた場合、次の5年間に繰越する「ロールオーバー」は、出来ません。売却するか、特定口座に移すことが必要になります。NISA口座内で、通常のNISAかつみたてNISAのどちらかしかできないという仕組みだからです。NISA制度スタート時から株や投信を保有している人は、つみたてNISAに切り換えると不利になる人もいます。
通常のNISAのロールオーバーは、通常のNISAがその年、選択できることが必要になります。しかし、つみたてNISAをやっていれば、NISA口座内ではすでにつみたてNISAを選択していることになるため、通常のNISAのロールオーバーはできないというわけです。つみたてNISAへの切り替えの申込はすでにスタートしていますが、通常のNISAをロールオーバーしたいので、私は、通常のNISAで2018年もやっていこうと考えています。
ただし、通常のNISAで株や投資信託を保有している人が、2018年以降、「つみたてNISA」に切り換えることは可能です。5年間までは非課税で保有し続けられます。近いうちに売却しようと考えていた人は、つみたてNISAをスタートするのも選択肢のひとつと思います。
通常のNISAからつみたてNISAに切り換えようかと現時点で迷っている人は、おそらく2014年のNISAがスタートしたときから保有している人が多いと思われます。私もそのひとりです。
ありがたいことにアベノミクスで為替が円安にふれ日本株価が上昇、NISA内で評価益が上昇、配当金も非課税になる恩恵を感じている人が多いはず。5年間終了後もロールオーバーで非課税の恩恵を継続して受け続けたい人が多いと思われます。
購入価格よりも価格が上昇していて120万円を超えていても、そのままロールオーバーが可能というように制度が変更になっています。
金融庁のサイトの「非課税枠の取扱い」を参照してください。 http://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/nisa/overview/index.html
願わくば、通常のNISAとつみたてNISAの非課税のいいとこどりをしたいと考えてしまいました。
たとえばこういう具合です。
2018年、あるいは、現行NISAを使い切った2019年につみたてNISAをスタートし、通常のNISAを保有したまま、つみたてNISAで20年間非課税優遇を受け続ける。
これって、可能なのだろうかと、疑問がわいていました。
●非課税優遇をダブルで受け続けられるというウマイ話はやはりないです。
現行NISAで保有している株や投資信託をできるだけ長く保有し続けて、配当金や分配金を非課税で受け続けたい人には、つみたてNISAに切り換えるという選択は、不利になりそうです。
連載の次号の原稿のテーマを「つみたてNISA」に決めたこともあって、切り換えについて、疑問点をインターネットを中心に調べていました。そんなときに、竹川美奈子さんのコラムを拝見しました。
https://media.rakuten-sec.net/articles/-/3012
重要な情報提供をありがとうございます。
金融庁のサイトでも、日本証券業協会のサイトでも、原稿のNISAからつみたてNISAへの切り替え後について、非課税で継続できるのは、「5年間」と記されているだけです。
私やおそらく皆さんが知りたいのは、こうした公的サイトの解説文のこの先の内容です。つまり、5年間終了後、つみたてNISAと併用して、非課税で保有し続けられるかという点です。残念ながらは、直接、応える文章とはなっていません。
頭脳優秀な人たちがつくりあげている制度ですので、制度のしくみを考えればわかるでしょ、ということだと思いますが、だから、どうなるのか、私たちの知りたい細かい部分にも、平易にずばり答える解説が充実することをお願いしたいです。
コメント